ワシと剣道
 ワシが、祇園武剣会とお付き合いが始ったのは2003年の秋でした。当時中学3年生の娘が段を取りたいと言ってきました。

近所の山陽武道具さんに相談し、ご紹介を受け武剣会に足を運び説明を受けました。中学3年生は受験の為、もう引退しており、異例の入会となりました。
週に2回、娘を稽古に連れて行き、稽古姿を見ている内に、『ちょっと面白そうだなぁ・・・剣道ならハードそうにないなぁ。』と、心が芽生えていました。
指導者の方々の熱心なご指導のお陰で、娘は2004年の1月に一級取得、3月には初段に昇段しました。

2004年3月末、武剣会年度末最後のイベント、小学校6年、中学校3年卒業剣士親子による、恒例の「親子剣道」が行われ、ワシも参加しました。
娘に「加減しちゃらんけぇ、加減してほしかったら、今のうちに言うとけよ!」
娘は「いらん!」の一言。
『中学に入ってから剣道を始め、この前初段を取ったばかりの小娘に負けるわきゃ〜なぁ!』

小6剣士親子から試合が始り様子を見ていると、先生方子供に厳しく、親御さんには甘いジャッジをしている。
これなら、絶対勝てる!と確信しました。
いざ自分の番がやってきました。名前を呼ばれ立とうとしたら、足がしびれて立てない・・・
周りには笑われ、掴みはOK!そこはご愛嬌ということで、試合開始!
何本か打ちにいき、娘は頭をヒョイヒョイと、ワシの竹刀を交わしやがる。クッソ〜!
『剣道って こが〜にぃ キツイんかぁ。』「め〜ん!」と、思い切り打ちにいったら頭に当たり、『よし!旗が上がったじゃろぉ。』
『えっ?上がってない・・・今のダメなん?』そうこうしとる間に2分の試合は引き分けで終わり、『まぁ、勝てんかったんは悔しいが、負けんかったけぇ え〜かぁ。』
蹲踞して帰ろうとしたら、審判が「延長戦1分!始め!!」
『あんたらぁ ワシを殺す気きかぁ?』「をりゃ〜〜・・・めっ」と面を打ちにいったこの瞬間、娘が「こて」審判の旗が3本上がっとる。『ありゃ?うっそ〜(泣く)負けてしも〜たぁ。』
家に帰って娘には「と〜ちゃん 弱い!」と言われ、「ありゃ〜 負けてやったんじゃ〜や〜」と、負け惜しみを言う自分がいました。
それから1年の間は、悔しゅ〜て悔しゅ〜て・・・

2005年3月末、武剣会の飲みの席で、I崎先生に「剣道をやりましょう!」と誘われました。酔った勢いも手伝って「よしっ、やりましょう。」と、言ってしまったんです。このとき40才も終わろうとしている。
4月から稽古に参加し、『ワシャぁ 大人じゃけぇ 子供等のような基本稽古は免除じゃろ』
先生がこちらに来られ、「じゃ 立ち姿勢から 真直ぐに構えてみてください」
「ホイっ」自分で真直ぐ立ったつもりのワシの左の腰をグイグイ右に回し、左の肩も回され、
「これでやっと真直ぐです」『うっそぉ それ真直ぐじゃない。ワシの体じゃない』という感覚でした。
これから3ヶ月間、子供達が剣道の稽古をカッコよくやっている隣で、細々と「いっち に、いっち に」と一人で基本稽古を続けました。正直恥ずかしかったですぅ^^

あれから2年続いたんですねぇ(しみじみ)いまでは剣道3年生。剣道を始めて良かったと実感してます。
時々、他道場に出稽古に行きますが、ウチの道場の子供達だけでなく、他所の道場の子供達もそうですが、
とても素直でこんなワシにでも優しくしてくれます。子供達と剣を交えて、子供達から沢山の『心』を教わった気がします。
これから何年剣道を続けることができるか解りませんが、体力が続く限り、沢山の指導者の方、保護者、そして子供達に出会い、いろんなことを教わっていきたい。

BY 管理人オッちゃん
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